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外川 織彦; 外間 智規; 平岡 大和; 齊藤 将大
JAEA-Research 2023-011, 78 Pages, 2024/03
原子力災害時に大気へ放射性物質が放出された場合には、住民等の被ばくを低減するための防護措置として、自家用車やバス等の車両を利用して避難や一時移転が実施される。避難等を実施した住民等や使用した車両の汚染状況を確認することを目的として、原子力災害対策重点区域の境界周辺から避難所までの経路途中において避難退域時検査が行われる。その際に、我が国では表面汚染密度の測定によるOIL4=40,000cpmという値が除染を講じる基準として用いられる。しかし、この値が設定された経緯や導出方法については、系統的かつ詳細な記述や説明は公式文書には見受けられず、また原子力防災の専門家でさえも全体に亘って詳細に説明できる人はほとんどいないことを認識した。本報告書では、我が国の避難退域時検査における除染の基準として用いられるOIL4を科学的・技術的に説明するために、その導出方法を調査・推定するとともに、それらの結果について検討と考察を行うことを目的とした。この目的を達成するために、我が国における除染基準を設定する上での根拠を示すとともに、被ばく経路毎の線量基準に対応した表面汚染密度限度を導出する方法を調査・推定した。さらに、我が国におけるOIL4の位置付けと特徴、OIL4の改定時における留意点という観点から、OIL4に関する考察と提言を行った。